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iDeCo加入途中に亡くなってしまったら|死亡一時金と相続を解説

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金に上乗せして老後資金を準備するための私的年金制度です。

老後のために長期間積み立てていく制度ですが、人生では何が起こるかわかりません。

「60歳になる前に亡くなったら、それまで積み立てたiDeCoのお金はどうなる?」
「家族が受け取れるの?」
「相続税はかかる?」

と気になる方もいるでしょう。

結論からいうと、

iDeCoの加入者や運用指図者が亡くなった場合、積み立てていた資産は原則として遺族が「死亡一時金」として受け取ることができます。

iDeCo資産がそのまま消えてしまうわけではありません。

ただし、死亡一時金は自動的に振り込まれるものではなく、遺族による請求手続きが必要です。

また、死亡から請求までの期間によって、財産や税金の扱いが変わる場合があります。

ここでは、iDeCo加入者が亡くなった場合の死亡一時金について、受取人の順位や税金、手続き上の注意点までわかりやすく解説します。

※参考:iDeCoの基本

iDeCo加入者が死亡したら遺族が「死亡一時金」を受け取れる

iDeCo加入者が死亡した場合の死亡一時金

iDeCoでは、加入者・運用指図者などが亡くなった場合、それまで積み立てていた年金資産を遺族が「死亡一時金」として受け取ることができます。

年金の受給をすでに開始している途中で亡くなった場合でも、残っている資産があれば遺族が受け取れます。

iDeCoには主に、

  • 老齢給付金
  • 障害給付金
  • 死亡一時金

という給付があります。

一定の要件を満たす場合には、これとは別に脱退一時金を受け取れる場合もあります。

障害給付金の年齢要件も現在は75歳到達前

旧記事では、

「70歳になる前に一定の障害状態になった場合」

としていましたが、現在の制度では異なります。

75歳に到達する前に傷病によって一定以上の障害状態となり、その状態で原則1年6か月を経過した場合などに、障害給付金を請求できます。

 

死亡一時金はいくら受け取れる?

死亡一時金は、生命保険の死亡保険金のように、

「死亡したら1,000万円」

などとあらかじめ保障額が決まっている制度ではありません。

基本となるのは、死亡した人のiDeCoに残っている個人別管理資産です。

つまり、それまでに積み立てた掛金と、その運用結果によって形成された資産がベースになります。厚生労働省も、死亡した場合には遺族が資産残高を受給する制度として説明しています。

投資信託で運用している場合は、価格が変動するため、死亡した時点の評価額と実際に支払われる金額が同じとは限りません。

死亡一時金の請求手続きに伴って保有商品が売却されるため、その間の市場変動によって受取額が変わることがあります。

したがって、

「死亡日の評価額がそのまま死亡一時金になる」

とは限らない点には注意しましょう。

 

死亡一時金は自動的には支払われない

iDeCo死亡一時金の請求手続き

iDeCo加入者が亡くなっても、金融機関から自動的に家族の口座へ死亡一時金が振り込まれるわけではありません。

遺族が死亡一時金の「裁定請求」を行う必要があります。

請求先は、加入していたiDeCoの記録関連運営管理機関です。

実際の手続きでは、まず利用していた運営管理機関や記録関連運営管理機関へ連絡し、必要書類を確認します。

戸籍関係書類など、死亡した本人と請求者との関係を確認できる書類の提出が必要になりますが、必要書類は状況や記録関連運営管理機関によって異なる場合があります。

そのため、家族が亡くなった場合には、

まず加入していたiDeCoの金融機関へ問い合わせる

のが確実です。

 

死亡一時金の受取人はあらかじめ指定できる

iDeCoでは、一定の親族の中から死亡一時金の受取人をあらかじめ指定できます。

指定できるのは、

  • 配偶者
  • 子
  • 父母
  • 孫
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

です。

配偶者には、法律上の婚姻届を提出していなくても、事実上婚姻関係と同様の事情にある人が含まれます。

受取人を指定しておけば、原則として指定された人が死亡一時金を受け取ります。

ただし、死亡一時金では誰でも自由に受取人へ指定できるわけではありません。

たとえば友人などを自由に指定できる生命保険とは仕組みが異なるため注意しましょう。

 

受取人を指定していない場合の優先順位

受取人を指定していない場合は、法律で定められた順位に従って死亡一時金を受け取ります。

重要なのは、

iDeCoの死亡一時金の受取順位は、民法上の法定相続人の順位とは同じではない

という点です。iDeCo公式サイトも、この違いを明記しています。

受取順位は次のとおりです。

第1順位:配偶者

法律上の配偶者だけでなく、事実婚関係にある配偶者も含まれます。

第2順位:死亡した人の収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹

この中では、

子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹

の順になります。

第3順位:第2順位以外で、死亡した人の収入によって生計を維持していた親族

第4順位:第2順位に該当しない子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹

こちらも、

子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹

の順になります。

同順位の受給権者が複数いる場合には、原則として人数で等分されます。

つまり、

「誰が民法上の相続人なのか」だけで死亡一時金の受取人が決まるわけではありません。

家族関係が複雑な場合などは、受取人をあらかじめ指定しておくことも検討しましょう。

 

iDeCoの死亡一時金には相続税がかかる?

iDeCoの死亡一時金には、税金についても注意が必要です。

死亡後3年以内に支給が確定した死亡一時金については、原則として相続税法上の「みなし相続財産(退職手当金等)」として相続税の対象になります。

ただし、相続人が受け取った死亡退職金等については、

500万円 × 法定相続人の数

という非課税限度額があります。国税庁も死亡退職金等についてこの非課税枠を定めています。

たとえば法定相続人が、

配偶者+子ども2人=3人

であれば、

500万円 × 3人=1,500万円

が非課税限度額です。

ただし、この非課税枠はiDeCoだけの専用枠ではありません。

勤務先から死亡退職金などを受け取っている場合には、それらも含めて非課税限度額を考える必要があります。

また、相続人ではない人が死亡一時金を受け取った場合には、この「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を利用できない場合があります。

 

死亡から3年を超えると税金の扱いが変わることがある

死亡一時金の税金で特に注意したいのが、請求の時期です。

死亡後3年以内に支給が確定すれば、原則として死亡退職金等として相続税の対象となります。

一方、死亡から3年を超えて5年以内に請求した場合には、支給時期などによって税務上の扱いが異なる場合があります。

確定拠出年金の実務資料では、死亡から3年を超え5年以内に支給される場合、受取人の一時所得として扱われるケースが案内されています。

税務上の扱いは、

  • いつ死亡したか
  • いつ支給が確定したか
  • 誰が受け取るか

などによって変わる可能性があります。

死亡から時間が経っているケースでは、運営管理機関だけでなく、税務署や税理士などへ確認すると安心です。

 

死亡から5年を過ぎたら

iDeCo死亡一時金の請求期限

iDeCo公式サイトでは、死亡日から5年を経過しても死亡一時金の請求がなかった場合、

死亡一時金を受け取れる遺族はいないものとみなされ、iDeCo資産は死亡した人の「相続財産」として扱われます。

確定拠出年金法にも、死亡後5年間、死亡一時金の裁定請求がなかった場合は、受給できる遺族がいないものとみなし、個人別管理資産額に相当する金銭を死亡した人の相続財産として扱うことが定められています。

さらに、相続財産として扱われた後も請求されない場合には、法務局へ供託されることがあります。

つまり、

死亡
↓
5年以内:死亡一時金として遺族が請求
↓
5年経過:死亡した人の相続財産として扱われる
↓
その後も請求されない場合:法務局へ供託される場合がある

という流れです。

 

家族にiDeCoへ加入していることを伝えておく

iDeCoの死亡一時金で最も避けたいのは、

「家族がiDeCoへ加入していたこと自体を知らない」

というケースです。

iDeCoは銀行預金のように通帳があるとは限りません。

オンラインで契約・管理している場合、

「どの金融機関でiDeCoを利用しているのかわからない」

ということも考えられます。

死亡一時金は、遺族が請求しなければ自動的には受け取れません。

そのため、少なくとも家族には、

  • iDeCoへ加入していること
  • 利用している金融機関
  • 問い合わせ先がわかる資料の保管場所

などを伝えておくとよいでしょう。

ただし、ログインパスワードや暗証番号そのものを家族へ共有する必要はありません。

金融機関名や契約の存在がわかるようにしておくだけでも、万一の際の手続きは進めやすくなります。

 

死亡一時金の受取人指定も確認しておく

配偶者や子どもなど、確実に死亡一時金を渡したい人がいる場合は、受取人指定について一度確認しておくのもよいでしょう。

特に、

  • 事実婚の配偶者がいる
  • 再婚している
  • 前婚の子どもがいる
  • 親族関係が複雑である

といった場合には、法定の順位だけに任せるより、受取人を指定しておいたほうが本人の希望を反映しやすいケースがあります。

受取人を指定する場合は、利用している運営管理機関へ問い合わせて手続きを行います。

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iDeCoの死亡一時金まとめ

iDeCo死亡一時金まとめ

iDeCo加入者が老齢給付金を受け取る前に亡くなった場合でも、積み立ててきた資産がなくなるわけではありません。

原則として、遺族が死亡一時金として受け取ることができます。

ポイントをまとめると、

  • 加入者等が死亡すると遺族が死亡一時金を請求できる
  • 年金受給中に死亡した場合も残額があれば遺族が受け取れる
  • 一定の親族から受取人を事前に指定できる
  • 指定がない場合は確定拠出年金法上の順位で決まる
  • 死亡後3年以内に支給が確定した場合は原則として相続税の対象
  • 相続人には死亡退職金等の「500万円×法定相続人」の非課税枠がある
  • 死亡から5年請求がなければ通常の相続財産として扱われる

死亡から5年以内に死亡一時金として請求することが基本ですが、5年経過後は死亡した本人の相続財産として取り扱われます。

また、公的年金の遺族年金とiDeCoの死亡一時金は、制度の目的も受給要件も異なるため、

「公的年金は掛け捨て、iDeCoなら必ず残る」

と単純に比較するのも適切ではありません。

せっかく長期間積み立ててきたiDeCo資産です。

万一のときに家族が手続きで困らないよう、

「iDeCoへ加入していること」と「利用している金融機関」だけでも家族と共有しておく

ことをおすすめします。

※参考:iDeCoネット証券比較

 

 

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