契約社員やパート、アルバイト、派遣社員など、有期雇用契約で働く方が、雇い止めや契約期間満了により退職する場合の退職届の書き方について解説します。
退職届は本来不要
契約社員やパート、アルバイト、派遣社員などの有期雇用契約で、契約期間満了や会社からの雇い止めによって退職する場合、原則として自己都合退職のような退職届を提出する必要はありません。
ただし、会社から退職届の提出を求められた場合は、「一身上の都合」とは書かず、「契約期間満了により退職」「会社より契約更新を行わない旨の通知を受けたため」など、実際の退職理由が分かるように記載しておきましょう。
退職届の理由の書き方・テンプレート
- このたび、契約期間満了に伴い、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
- このたび、貴社との契約更新を希望していましたが契約期間満了に伴い、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
- このたび、貴社との契約更新を希望していましたが雇止め通告を受けたため、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
- 契約更新を希望しましたが雇止め通告により、契約期間満了日である○○年○月○日をもって、退職いたします。
「契約更新を希望していたにもかかわらず、更新を拒否された」ことは、雇用保険における離職理由を判断するうえで重要な要素となるため、「継続雇用を希望していた」ことをより明確に伝える強めの表現にしました。
日本語が多少変になっても構いません。私はクライアントさんに4つ目の例文を奨めて、会社に受理してもらったことがあります。
それと、書き出しは「退職届」が正であり、「退職願」とは書かないようご注意ください。

雇用保険の失業等給付について
雇用保険では、最終的な離職理由をハローワークが本人・会社双方の主張や資料を確認して判断します。契約満了や雇い止めでも、状況によって「特定受給資格者」「特定理由離職者」または一般の離職者に分かれるためです。
特定受給資格者・特定理由離職者に該当すれば、原則として離職前1年間に雇用保険の被保険者期間が6か月以上あれば受給資格を得られます。一般の離職者は、原則として離職前2年間に12か月以上必要です。
特定受給資格者・特定理由離職者の場合
条件:原則として離職前1年間に被保険者期間が6か月以上
給付:7日間の待期後、原則として自己都合退職のような給付制限はありません。

正当な理由のない自己都合退職の場合
条件:原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上
給付:7日間の待期+原則1か月の給付制限
なお、離職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けている場合は、給付制限が3か月となります。2025年4月から通常の給付制限は2か月から1か月へ短縮されています。

雇い止めが特定受給資格者等になる場合
契約期間満了や雇い止めだからといって、すべて同じ離職理由になるわけではありません。
主なケースは次のとおりです。
(1)契約更新により3年以上引き続き雇用されていたにもかかわらず、更新されなかった。
(2)契約締結時に「契約を更新する」と明示されていたにもかかわらず、更新されなかった。
これらは特定受給資格者に該当する可能性があります。
一方、
(3)「契約を更新する場合がある」など、更新の可能性は明示されていたものの確約まではなく、本人が更新を希望したのに契約満了となった。
場合は、特定理由離職者に該当する可能性があります。
最終的な離職理由はハローワークが判断しますので、雇い止め通知書、雇用契約書、更新時のメールなどは保管しておきましょう。
なお、特定受給資格者や一定の特定理由離職者に該当すると、国民健康保険料(税)の軽減対象になる場合もあります。
なぜ会社は自己都合での退職届にこだわるのか
一部の雇用関係助成金では、一定期間に解雇など会社都合による離職者を出していないことが支給要件とされています。そのため、会社側が自己都合退職として処理したがるケースがあります。
しかし、事実と異なる退職届を提出する必要はありません。自己都合退職を強く求められた場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどに相談しましょう。雇い止めを含む労働トラブルを無料で相談できます。
会社都合退職は転職で不利になる?
「会社都合=懲戒解雇」ではありません。雇い止めや事業縮小など、本人に責任のない退職も会社都合等として扱われる場合があります。
また、離職票は主に失業給付の手続きに使用する書類であり、通常は転職先へ提出する書類ではありません。
面接で退職理由を聞かれた場合は、「契約期間満了」「会社から更新しない旨の通知を受けた」など、事実を簡潔に説明すればよいでしょう。