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専業主婦・扶養内パートのiDeCoはお得?メリットと注意点を解説

社会保険

専業主婦・扶養内パートもiDeCoに加入できる

2026年9月時点では、国民年金第3号被保険者である専業主婦(主夫)などもiDeCoへ加入できます。

第3号被保険者の掛金上限は、

月額2万3,000円

です。

掛金は月額5,000円から設定でき、1,000円単位で決められます。掛金額は一定の条件のもと年1回変更することもできます。

なお、2026年12月1日からiDeCoの拠出限度額が大きく改正されますが、第3号加入者については月額2万3,000円の枠が維持されます。第1号加入者や第2号加入者を中心に限度額が引き上げられる改正です。

 

専業主婦・扶養内パートがiDeCoを利用するメリット

運用益が非課税になる

iDeCoの大きなメリットの一つが、運用中に得た利益が非課税になることです。

通常、預貯金の利息や上場株式等の配当・売却益などには、原則として約20%の税金がかかります。

たとえば上場株式等の配当などには、原則20.315%の税率が適用されます。

一方、iDeCo口座内で運用している間の利益については、その都度課税されません。

利益をそのまま再投資できるため、長期間運用する場合には複利効果を活かしやすくなります。

NISAとは税制優遇の仕組みが違う

現在のNISAは、

つみたて投資枠:年間120万円
成長投資枠:年間240万円
合計:年間360万円

まで利用できます。

さらに非課税保有限度額は合計1,800万円で、非課税保有期間も無期限です。

そのため現在は、

「非課税枠が大きいからiDeCoの方が有利」

とは単純に比較できません。

iDeCoとNISAの大きな違いは、

iDeCo → 掛金の所得控除があるが、原則60歳まで引き出せない

NISA → 掛金の所得控除はないが、必要になれば売却できる

という点です。

専業主婦や扶養内パートの方では、所得控除のメリットが小さいこともあるため、NISAとの使い分けが特に重要になります。

受取時にも税制優遇がある

iDeCoを老後に受け取るときにも税制上の優遇があります。

一時金として受け取る場合 → 退職所得控除

年金として受け取る場合 → 公的年金等控除

の対象になります。

ただし、

「受取時は必ず全額非課税」

というわけではありません。

他の退職金や公的年金の金額によっては税金がかかるため、受取方法も考える必要があります。

少額から老後資金を積み立てられる

iDeCoの掛金は月額5,000円から設定できます。

たとえば、

月5,000円
月1万円
月1万5,000円

など、家計に合わせて始められます。

専業主婦世帯では教育費や住宅費など、老後以外にも必要なお金が多いケースがあります。

最初から上限の2万3,000円を掛ける必要はありません。

「60歳まで使わなくても困らない金額」を基準に掛金を決める

ことが重要です。

老後資金を別枠で確保できる

iDeCoは原則60歳まで自由に引き出せません。

これはデメリットである一方、

「老後資金を途中で使ってしまいにくい」

というメリットでもあります。

普通預金では、

「車を買う」
「旅行へ行く」
「子どもの費用に使う」

などで取り崩してしまう可能性があります。

老後資金を生活費とは別に積み立てておきたい方には、iDeCoの引き出し制限がプラスに働くこともあります。

受給権は原則として差押えが禁止されている

確定拠出年金法では、iDeCoなどの給付を受ける権利について、

譲渡・担保提供・差押え

が原則として禁止されています。

ただし、老齢給付金や死亡一時金については、国税滞納処分などによる差押えの例外があります。

 

iDeCo最大のメリット「所得控除」を受けられない場合がある

iDeCo最大の税制メリットの一つは、本人が支払った掛金の全額が、

「小規模企業共済等掛金控除」

になることです。

たとえば年間12万円を掛ければ、原則12万円全額が所得控除の対象です。

しかし、ここが専業主婦にとって大きな注意点です。

本人に課税所得がなければ、iDeCoへ掛金を拠出しても所得税・住民税を減らす効果はありません。

iDeCo公式サイトも、課税所得がない人は掛金の所得控除を受けられず、その控除を配偶者の所得から差し引くこともできないと明記しています。

夫が妻のiDeCo掛金を所得控除することはできない

ここは特に重要です。

社会保険料控除では、一定の場合に家族分の社会保険料を支払った人が控除を受けられることがあります。

しかしiDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除です。

控除を受けられるのは、

iDeCoへ加入している本人の所得だけ

です。

したがって、

妻のiDeCo掛金を夫が負担しているから、夫の所得から控除する

ということはできません。

扶養内パートなら必ず所得控除が無意味とは限らない

扶養内パートであっても本人に課税所得があれば、iDeCo掛金による所得控除のメリットを受けられる場合があります。

反対に、所得税・住民税がほとんどかかっていなければ、所得控除による節税効果も小さくなります。

つまり、

専業主婦 → 所得控除の節税メリットは基本的にない

パート勤務 → 本人の所得・税額によってメリットが変わる

と分けて考えるのが適切です。

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専業主婦・扶養内パートがiDeCoを利用するデメリット

原則60歳まで引き出せない

iDeCo最大のデメリットは、原則60歳まで自由に引き出せないことです。

老後資金を目的とした制度で税制優遇が設けられているため、通常の預貯金のような中途解約はできません。

たとえば、

  • 子どもの進学費用
  • 住宅購入資金
  • リフォーム費用
  • 車の買い替え
  • 家計の急な支出

があっても、原則としてiDeCoから取り崩すことはできません。

一定の厳しい条件を満たした場合には脱退一時金を受け取れる制度がありますが、一般的な中途解約制度ではありません。

そのため、

教育費や緊急予備資金までiDeCoへ入れない

ことが大切です。

手数料がかかる

2026年9月時点では、新規加入・移換時に国民年金基金連合会へ2,829円の手数料がかかります。

また、掛金を拠出する際には国民年金基金連合会へ1回105円の手数料が必要です。これに事務委託先金融機関や運営管理機関の手数料が加わります。

運営管理機関の手数料を0円としている金融機関もありますが、iDeCo全体の手数料が0円になるわけではありません。

さらに投資信託を選べば、商品ごとに信託報酬もかかります。

なお、2027年1月26日の掛金引落し分から、国民年金基金連合会の加入中手数料は105円から月額120円へ変更される予定です。

元本割れする可能性がある

iDeCoで投資信託を選べば、価格変動によって資産が増える可能性がある一方、元本割れすることもあります。

iDeCoだから安全に増えるわけではありません。

一方、定期預金などの元本確保商品を選ぶ方法もあります。

ただし、

「元本確保商品=絶対に損をしない」

とも言い切れません。

手数料が利息を上回れば、資産全体では掛金総額を下回る可能性がありますし、物価上昇によって実質的な購買力が低下するリスクもあります。

自分のリスク許容度に応じて、

  • 元本確保商品
  • 投資信託
  • 両方を組み合わせる

といった方法を考えましょう。

ある程度の商品知識が必要

iDeCoでは自分で運用商品を選ぶ必要があります。

iDeCoで直接個別株を売買する制度ではなく、金融機関が提示する、

  • 定期預金
  • 保険商品
  • 株式や債券などへ投資する投資信託

などから選択します。

商品数が多い金融機関もあるため、

「何を選べばよいかわからない」

という方もいるでしょう。

その場合は、まず低コストで幅広く分散された投資信託などの仕組みを理解してから選ぶことが大切です。

金融機関が破綻しても国が全額保証する制度ではない

iDeCoの実施主体は国民年金基金連合会であり、銀行や証券会社などが運営管理機関としてサービスを提供しています。

運営管理機関が破綻した場合でも、iDeCoの運用資産は信託財産として信託銀行で管理されているため、原則として運営管理機関自身の財産とは分別されています。

一方、定期預金や保険商品の提供会社が破綻した場合は、預金保険制度や生命保険契約者保護制度など、それぞれの商品に応じた保護の仕組みが適用されます。

したがって、

「国がすべてのiDeCo資産を無条件で全額保証している」

わけではありません。

 

離婚した場合、iDeCoは年金分割の対象になる?

離婚時の「年金分割」の対象になるのは、婚姻期間中の厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額の記録です。

そのため、

iDeCoは、厚生年金の「年金分割制度」の対象ではありません。

ただし、

「年金分割の対象外=離婚時にiDeCo資産を一切考えなくてよい」

とまでは言えません。

年金分割と離婚時の財産分与は別の制度だからです。

離婚時の財産関係について判断が必要な場合には、資産形成の時期や原資など個別事情が関係するため、弁護士などへ確認するのが安全です。

 

専業主婦ならiDeCoとNISAのどちらが向いている?

専業主婦や所得の少ないパート勤務の方の場合、

「iDeCoだから必ずNISAより得」

とは限りません。

iDeCo最大のメリットである掛金の所得控除を利用できない場合があるからです。

そのため、

60歳まで使わない老後資金
→ iDeCo

老後にも使いたいが、教育費などで途中利用する可能性がある資金
→ NISA

数年以内に使う予定のお金
→ 預貯金

といった使い分けが考えられます。

特に子育て世帯では、

所得控除だけに注目せず、「いつ使うお金なのか」で判断することが大切です。

 

専業主婦・扶養内パートのiDeCoまとめ

2017年から、専業主婦(主夫)などの第3号被保険者もiDeCoを利用できるようになりました。

2026年9月現在、第3号被保険者の掛金は、

月5,000円から月2万3,000円まで

設定できます。

主なメリットは、

  • 運用益が非課税になる
  • 受取時にも税制上の優遇がある
  • 少額から老後資金を準備できる
  • 原則60歳まで引き出せないため老後資金を確保しやすい

一方、

  • 課税所得がなければ掛金の所得控除メリットを受けられない
  • 配偶者が本人のiDeCo掛金を所得控除することはできない
  • 原則60歳まで自由に引き出せない
  • 手数料がかかる
  • 投資信託では元本割れの可能性がある

という注意点があります。

特に専業主婦の場合、

「掛金が全額所得控除になる」というiDeCoの大きなメリットを活かせないことがある

点を理解しておきましょう。

それでも、運用益非課税や老後資金を強制的に積み立てやすいというメリットはあります。

iDeCoだけで考えるのではなく、預貯金やNISAも含めて、

「このお金を何歳で使うのか」

を基準に、自分の家計に合った方法を選ぶことが大切です。

 

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