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雇い止め、契約満了による退職届の書き方

労働法令
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契約社員やパート、アルバイト、あるいは派遣社員といった有期雇用契約で働いている方々が、雇い止めを受けたり、契約期間満了で退職をさせられた場合の退職届の書き方について解説していきます。

退職届は本来不要

退職届は自己都合で辞める場合に提出するものであって、契約期間満了や会社から更新拒否をされて辞めることになった場合には、原則として退職届を提出する必要はありません。

ですが、規則だの何だの理由を付けて不要なはずの退職届の提出を求められたときは、会社都合であることを強調して提出するようにします。

なぜなら自己都合と会社都合では雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の給付開始日や給付日数がまるで違ってくるからです。また自治体にもよりますが、会社都合の場合、国民健康保険税が大幅に軽減されます。

逆に言えば次の会社が決まっていて、雇用保険や国保のお世話になる予定がない方は、「一身上の都合により」という自己都合で提出しても支障はありません。

会社都合のケース

条件:直近1年間のうち6ヶ月以上雇用保険に加入
給付開始:待期期間7日経過後

自己都合のケース

条件:直近2年間のうち12ヶ月以上雇用保険に加入
給付開始:待期期間7日+給付制限2ヶ月経過後
※直近5年間のうち、2回まで給付制限2ヶ月。3回目以降は給付制限3ヶ月。

 

会社都合とされる場合

ただし雇い止めによる退職者の皆が皆、会社都合に該当するわけではありません。契約期間がらみで会社都合扱いとされるのは以下のとおりです。

(1)契約更新が3年以上で、雇い止めとなった。
(2)契約更新が3年未満で「契約更新の確約があり」雇い止めとなった。
(3)契約更新が3年未満で「契約更新の確約はないが明示はあり」雇い止めとなった。

(3)の明示はありとは、契約の更新をする場合がある〇〇の場合は契約を更新する、のように契約更新を匂わす記載はあっても確約まではされていないケースをいい、契約を更新しないと明示されている場合は対象外です。

 

退職届の理由の書き方・テンプレート

  • このたび、契約期間満了に伴い、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
  • このたび、貴社との契約更新を希望していましたが契約期間満了に伴い、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
  • このたび、貴社との契約更新を希望していましたが雇止め通告を受けたため、来たる○○年○月○日をもって、退職致します。
  • 契約更新を希望しましたが雇止め通告により、契約期間満了日である○○年○月○日をもって、退職いたします。

単に”契約期間満了に伴い”で、ほとんどのハローワークに通用すると思いますが、契約更新を希望していたのに拒否された」ことも会社都合の判断の重要な要素になっていることから、念には念を入れるため“継続雇用を希望していた”ということを強調したテンプレートも用意してみました。

日本語が多少変になっても構いません。私はクライアントさんに4つ目の例文を奨めて、会社に受理してもらったことがあります。

それと、書き出しは「退職」が正であり、「退職」とは書かないようご注意ください。

雇い止めの退職届書き方例

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なぜ会社は自己都合での退職届にこだわるのか

会社都合の退職者を出すと雇用調整助成金など国の助成金の対象から一定期間外されてしまうため、なるべく自己都合で退職届を書かせたいのが本音です。

ですが事実とは異なる退職届を提出する必要はありません。自己都合を強要されるようでしたら、労働基準監督署などにご相談ください。

 

会社都合による退職のデメリット

会社都合は懲戒解雇のイメージが強いため、転職先に離職票を提出したときに悪い印象を与えてしまう可能性があります。面接の際に雇い止めの理由(経営状態の悪化、事業縮小など)を丁寧に説明して理解してもらう必要があります。