2021年9月事務所通信

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失業「1年以上」が74万人―失業者全体の3割超~総務省労働力調査

総務省が8月10日に発表した労働力調査(詳細集計)で、2021年4月~6月の失業者233万人のうち、仕事につけない期間が1年以上に及ぶ人が74万人と、3割以上を占めていることがわかりました。新型コロナ禍で経済活動の抑制が続いていることが最大の要因とみられます。以下、調査結果の概要をみていきましょう。

正規、非正規の職員・従業員数と「非正規」の理由

役員を除く雇用者5,615万人のうち、正規の職員・従業員は3,557万人、非正規の職員・従業員は2,058万人で、非正規の職員・従業員については四半期別で6期ぶりの増加となりました。非正規の職員・従業員について、現職の雇用形態についた主な理由を男女別にみると、男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く、男性は181万人と前年同期に比べ4万人の増加、女性は469万人と64万人の増加となっています。

一方、「正規の職員・従業員の仕事がないから」と消極的な理由を回答した男性は104万人と3万人の減少、女性では111万人と4万人の減少でした。

失業者数と仕事につけない理由

失業者は233万人と、前年同期に比べ19万人増加しています。失業期間別にみると、失業期間が「3か月未満」の者は95万人と2万人の増加、「1年以上」の者は74万人と19万人の増加となりました。

失業者全体を仕事につけない理由別にみると、「希望する種類・内容の仕事がない」とした者が最も多い78万人と12万人の増加で、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が26万人、「勤務時間・休日などが希望とあわない」が22万人でした。また、「条件にこだわらないが仕事がない」とした者も16万人と、2万人の増加となっています。

前職の離職理由

失業者233万人のうち、離職した失業者は158万人と前年同期に比べ19万人の増加となりました。これを前職の離職理由別にみると、 「定年又は雇用契約の満了のため」とした者が28万人、 「家事・通学・健康上の理由のため」とした者が25万人でしたが、「会社倒産・事業所閉鎖のため」が13万人、「人員整理・勧奨退職のため」が15万人、「事業不振や先行き不安のため」が8万人と、会社の業績悪化や倒産が原因とうかがわせる離職も増加傾向が続いています。

コロナ禍の先行きが見通せない中、我慢の続く企業も多いと思います。ただ一方で、業績が好調または回復基調にある企業にとっては、積極的に人材を採用できる機会といえるかもしれません。

【参考】総務省「労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)4~6月期平均」PDF
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

 

メーカー別新型コロナワクチン接種後の体調変化

ワクチン接種後の体調への影響は?

新型コロナワクチンの接種では、様々な副反応が起こることが知られています。
現在接種が認められている3社のうち、厚生労働省は、ファイザー社、武田/モデルナ社のワクチンについて、先行接種後に起こった副反応を約1カ月間調査した結果を8月4日に公表しています。

ファイザー社のワクチン接種後の体調の変化

接種部位の痛みは、1回目・2回目とも9割の人にみられました。赤くなったり腫れたりした人も、1割強います。

痛み以外は2回目のほうが頻度が高く、37.5度以上の発熱は20~30歳代では約半数にみられます。頭痛は、1回目はほぼすべての世代で2~3割、2回目は20~50歳代で5~6割にみられます。全身の倦怠感も同様で、2回目は20~50歳代で7~8割の方にみられます。痛み以外の反応は、男性より女性の頻度がやや高い傾向にあります。

武田/モデルナ社のワクチン接種後の体調の変化

接種部位の痛みは、1回目・2回目とも8~9割の人にみられました。赤くなったり腫れたりした人は、2回目では2割程度います。

痛み以外の反応は2回目のほうが頻度が高く、特に接種の翌日に多くみられます。37.5度以上の発熱が約8割、頭痛は約6割、全身の倦怠感が約8割となっています。

同社の結果については、年齢・性別による違いには触れられていません。

◆アストラゼネカ社のワクチン接種後の体調の変化

8月4日の厚生労働省の資料によれば、8月下旬以降各都道府県に少なくとも1カ所の接種センターの設置をお願いする、とされています(緊急事態宣言対象自治体では8月中旬)。

主な副反応としては接種部位の痛み、頭痛、関節や筋肉の痛み、倦怠感、疲労、寒気、発熱等を挙げ、臨床試験では1回目のほうが2回目より高い頻度でみられるとされています。また、ごく稀に血栓症、毛細血管漏出症候群、ギラン・バレー症候群などを発症した例が、海外で報告されているということです。

【参考】厚生労働省「新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkoujoukyoutyousa.html

 

「副業・兼業の促進に関するガイドラインQ&A」の改訂版が公表されました

改訂の経緯

平成30年1月に厚生労働省より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)が公表されました。このガイドラインの公表にあたっては、補足資料として「副業・兼業の促進に関するガイドライン(Q&A)」(以下、「ガイドラインQ&A」という)も作成されました。

令和2年9月にガイドラインは改定されていましたが、今年7月、ガイドラインQ&Aの改訂版が公表されました。

ガイドラインQ&Aの改定内容

このガイドラインQ&Aは、労働時間管理等、健康管理、労災保険の給付について9個のQ&Aで構成されていましたが、改訂版では28個に増え、より具体的かつ網羅的に解説されています。

特に実務上疑問の声が多い労働時間管理については、自社と副業先で従事する業務に適用される労働時間制度が異なる場合(変形労働時間制、裁量労働制、フレックスタイム制など)における通算の考え方や、法定休日、1週間単位での通算の仕方について等の考え方も明記されています。

また、ガイドラインで示している簡便な労働時間管理の方法(管理モデル)を導入する場合の労働時間の管理や、時間外労働の上限規制の遵守、割増賃金の支払いについても解説されています。

副業・兼業を認めている会社は、ガイドラインとあわせて、改訂されたガイドラインQ&Aをしっかり確認しておくとよいでしょう。

【参考】厚生労働省「「副業・兼業の促進に関するガイドラインQ&A」PDF
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000473062.pdf

 

育児休業取得率(令和2年度雇用均等基本調査)と法改正の動向

育児休業者割合

①女性
在職中に出産した女性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者の割合は81.6%と、前回調査(令和元年度83.0%)より1.4ポイント低下しました。また、同期間内に出産した、有期契約労働者の育児休業取得率は62.5%で、前回調査(同77.5%)より15ポイント低下しました。

②男性
配偶者が出産した男性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者の割合は12.65%と、前回調査(令和元年度7.48%)より5.17ポイント上昇し、過去最高を記録しました。このうち、育休期間が5日未満の取得者の割合は28.33%でした。

また、同期間内において配偶者が出産した、有期契約労働者の育児休業取得率は11.81%で、前回調査(同3.07%)より8.74ポイント上昇しました。

今回、男性の育児休業取得率は過去最高となりましたが、政府が掲げていた2020年までに13%にするという目標には届きませんでした。

育児・介護休業法の改正

去る6月に成立した改正育児・介護休業法では、出生後8週以内に最長4週間取れる「出生時育児休業」が、男性の育児休業取得率を上げるものとして注目されています。同法は段階的に施行されますが、ここでは直近の令和4年4月1日施行の改正点を紹介します。

① 有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件の緩和
「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が削除され、有期雇用労働者は育児・介護休業を取得しやすくなります。

② 妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
事業主は、妊娠・出産の申出をした労働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、育児休業申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。

③ 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務付け
事業主は、育児休業申出が円滑に行われるようにするため、その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施、育児休業に関する相談体制の整備、その他厚生労働省令で定める育児休業に係る雇用環境の整備に関する措置のいずれかの措置を講じなければなりません。

【参考】厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r02.html
同「改正育児・介護休業法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf

 

テレワーク定着についての課題は?~令和3年版「労働経済白書」より

テレワークの今

2020年初頭から全世界で猛威を振るい、日常生活に多大な影響を与えている新型コロナウイルス感染症ですが、2020年4月には、感染拡大地域を対象に初めて緊急事態宣言が出され、これをきっかけとして、多くの企業でテレワークが導入されました。

テレワークを日常的に行っていた企業では大きな混乱はなかったものと思われますが、付け焼き刃の整備で始めた企業では、現在の感染拡大の最中においても、テレワークをやめて出社勤務が主となっているところも少なくないようです。

導入した企業の継続割合

厚生労働省が公表した「令和3年版 労働経済の分析」(労働経済白書)では、「新型コロナウイルス感染症の拡大による雇用・労働への影響」として「テレワークを活用して働いた労働者についての分析」が示されています。

そこでは、2020年4、5月には企業のテレワーク実施割合は5割を超えていたものの、同年末には3割程度に減少しており、特に2020年2~5月に初めてテレワークを活用した企業では、感染拡大前からテレワークを実施していた企業よりも継続割合が低いことが指摘されています(2021年2月時点の継続状況:感染拡大前から活用経験がある企業90.4%、2020年2~5月に初めて活用した企業71.7%)。

定着に向けた課題

テレワークの運用・実施状況別にみた企業の課題としては、「出社時と比べて、職場の人とのコミュニケーションが取りづらい」(73.8%)、「業務の性質上、テレワーク可能な業務を切り出すことが 難しい」(49.3%)、「個人の業務の進捗や達成度の把握が難しい」(55.7%)、「社員がテレワークするための環境整備が難しい(使用PCの台数確保や、テレワーク回線、セキュリティの問題等)」(41.6%)などが挙げられますが、運用状況別にみると、「うまく運用できていない」企業においてこれらを課題として挙げる割合が高いことが指摘されています。

会社ごとの課題に応じた模索が必要

労働経済白書では、「テレワークの活用経験がある企業や労働者の割合が比較的低い業種でも、テレワーク継続率が高い場合があることを踏まえると、業務の性質にかかわらず、テレワーク定着の可能性があることがうかがえる」とも分析されています。「うちの業種ではテレワークはできない」と決めつけずに、自社での最適で有用な手段を模索していくことで、労使双方により良い効果をもたらすことができるでしょう。

【参考】厚生労働省「令和3年版 労働経済の分析」
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/20/20-1.html

 

コロナ禍で転職検討者が増加傾向

コロナ禍で転職を考える人が増加

株式会社MyReferが行った「コロナ禍の転職意向調査」によると、コロナ禍において、転職を考える人が増えていると言います。この調査では、回答者のおよそ8割が「転職を考えた」としています。その理由としては、「会社や事業の将来性に不安を感じたから」(53.6%)、「働き方を変えたいから」(42.4%)、「自分のキャリアを見つめ直したから」(36.4%)が上位でした。会社や事業の将来性に対する不安や、働き方についての価値観の変化から、転職を考える人が増えたと言えます。

人材の確保に向けて

調査では、転職を考えた人のなかで、実際に転職をした人は1割程度でした。しかし、いずれは実行に移そうと考える転職予備軍が一定数いるとも考えられます。では、自社の離職を防ぐには、あるいは転職先として選ばれるためには、どのようなことに留意すればいいのでしょうか?

まずは、前述の転職を考えた理由に対処することです。つまり、自社のビジョンを明確に伝える、労働者の働き方の希望やキャリアプランを把握し、それに応えていくこと等が考えられます。

次に、転職を考える人が重視する項目に対処することも有効でしょう。主なものとしては、①給料、②残業量や休暇日数、勤務体制、③勤務地があります。③はもちろん、①や②も急に改善することは難しいかもしれません。しかし、自社が他社に比べて、これらの項目でどのような位置にあるのか、少なくとも現状を把握することは必要でしょう。

転職がポジティブにとらえられる時代が来ています。人材確保のために何ができるのか、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。

【参考】(株)MyRefer「コロナ禍の転職意向調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000036924.html

 

70歳就業時代の人事労務管理に必要なもの

65歳以降の雇用・就業に向けた現状と課題に関する調査

独立行政法人労働政策研究・研修機構では、2021年6月に「70歳就業時代の展望と課題 ―企業の継続雇用体制と個人のキャリアに関する実証分析―」という報告書を公表しました。65歳以降の雇用・就業機会の拡大に向けた人事労務管理を考える上で参考になるポイントがあります。

年齢に関わらない評価と賃金制度が求められる

70歳までの就業確保を義務化する政策がすすめられていますが、継続雇用が促進されると、各企業は人件費負担を考慮し、高年齢従業員の賃金や仕事内容等を工夫する必要に迫られます。

報告書では、(政策的には)「仮に65歳以降の就業機会の更なる拡大を目標とするなら、60歳前後で仕事内容や責任を変化させる体制から、変化を伴わない雇用継続のあり方へと変えていくことが重要である。」とし、効果的なこととして、高年齢者に対して「技能やノウハウの継承」という役割を強調しすぎないこと、年齢に関わらず評価等に即して賃金を決定していく制度を導入することを挙げています。

労働者個人の感じ方にも留意が必要

ただ一方で、60代前半の労働者個人の感じ方としては、60歳または定年到達前後で仕事が変わらないことは、仕事や責任が変わることに比べて、必ずしも満足しているとはいえないとの結果も出ています。60歳や定年という節目で気分一新し、新たな学びや成長につなげたいというのが、一般的な感情なのかもしれません。

従業員とのコミュニケーションをとりつつ、自社の事情に合った制度の検討を

各企業の労務管理においては、従業員の体力等への配慮や、雇用・就業年齢がこれまでよりも上がることを見据えた、従業員とのコミュニケーション促進策が必要になると思われます。我が国は高齢化社会に向かっていますし、いずれ誰もが高年齢者になります。採用や賃金への影響も考えながら、自社の事情に合った、高年齢者の雇用維持・確保方法を検討する必要があるでしょう。

【参考】(独)労働政策研究・研修機構「70歳就業時代の展望と課題」
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2021/0211.html

 

難病に罹患しても働き続けてもらうために! 企業ができる就労支援のポイント

難病患者の「就労」

企業における、難病(治療研究等を国が主導で進めている多種多様な、希少な難治性の疾病)の方に対する就労支援の取組みの普及が進んでいます。医療の進歩によって、難病で治療を続ける人であっても、適切な仕事を選び、職場での理解・配慮を得ることができれば、働くことができるようになってきました。現在、難病患者の半数が就労しており、その数は年々増加傾向にあります。従業員が突然発病することもあり、企業には、就労との両立支援が求められます。

難病の特徴

難病は多くの場合、一度発症すると症状の増悪と寛解を繰り返しながら、徐々に病状が悪化していきます。そのため、治療をして回復する、あるいは固定した障害が残ることを前提としている休職制度では、対応ができない場面も出てきます。

また、多くの難病に共通する症状は、全身的な疲れやすさ、体調変動、活力の低下など、外見からはわかりません。そのため周囲の理解が得られず、我慢を重ねた結果、症状が悪化して働き続けることができなくなり、やむなく退職に至ることもあります。

難病患者の就労支援のポイント

こうした特徴を踏まえ、難病患者への具体的な配慮を検討することが大切です。難病の症状は疾患により多種多様であり、それにより生じる「つらさ」も異なります。体調や症状について確認し、無理をしているようであれば就業上の配慮を検討しましょう。「つらさ」を申し出やすい、協力的な職場風土づくりも大切です。

難病患者本人、主治医、産業医、人事担当者、上司が適切に情報交換を行って、同僚の協力も得ながら対応を進めていきましょう。

 

雇用保険の高年齢被保険者の特例とは?

雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)により、高年齢被保険者の特例に関する規定が令和4年1月1日から施行されます。それに伴い、令和3年7月21日に、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第125号)」が公布されました。以下で、高年齢被保険者の特例の概要について紹介いたします。

現行制度

雇用保険法(昭和49年法律第116号)6条1項1号において「1週間の所定労働時間が20時間未満である者」については、雇用保険法の適用除外となっています(1事業所で週所定労働時間が20時間以上の者は適用)。複数の事業所で就労する場合は、それぞれの事業所ごとに適用要件を判断、労働時間は合算しません。

高年齢被保険者の特例とは

令和4年1月1日より、複数の事業主に雇用される 65 歳以上の労働者について、本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して、「週の所定労働時間が20時間以上である」ことを基準として雇用保険が適用されることになります。

制度の対象者(高年齢被保険者)となるための要件

要件は次のとおりです(雇用保険法37 条の5第1項各号)。
① 2つ以上の事業主の適用事業に雇用される65歳以上の者
② 上記①のそれぞれ1つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が20時間未満
③ 上記①のうち2つの事業主の適用事業(申出を行う労働者の1週間の所定労働時間が5時間以上であるものに限る)における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上

高年齢被保険者の特例の申出

高年齢被保険者の特例の申出は、当該申出を行う者の氏名、性別、住所または居所および生年月日、当該申出に係る事業所の名称および所在地、当該申出に係る適用事業における1週間の所定労働時間などを記載した届書に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳等を添えて、管轄公共職業安定所の長に提出することによって行うものとされています。

公共職業安定所は申出の内容を確認し、本人および各事業所に通知します。なお、資格取得の場合は申出の日に被保険者の資格を取得します。

事業主の留意点

事業主は、高年齢被保険者の特例の申出を行おうとする者から当該申出を行うために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければなりません。また、事業主は、労働者が申出をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはなりません。

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厚生労働省が「無期転換ルール」で初の実態調査結果を公表

「無期転換」について初の調査

厚生労働省は、「有期労働契約に関する実態調査」の結果を公表し、有期契約労働者の契約更新が通算5年を超えると無期契約を申し込める権利が発生する「無期転換ルール」(2013年4月施行の改正労働契約法により新設)の実態を初めて明らかにしました。調査は、昨年4月時点で5人以上を雇用している企業5,662事業所と、今年1月時点での労働者6,670人に対してそれぞれ行われたものです。

約3割が無期転換申込権を行使

調査結果によると、有期契約労働者を雇用している事業所の割合は41.7%でした。そのうち、2018~2019年度に無期転換ルールによる無期転換を申し込む権利が生じ、その権利を行使した人の割合は27.8%、無期転換を申し込む権利を行使せず継続して雇用されている人の割合は65.5%でした。

また、無期転換を申し込む権利を行使した人の割合を事業所の規模別にみると、1,000人以上の事業所が39.9%、300~999人の事業所が22.2%、100~299人の事業所が22.3%、30~99人の事業所が17.1%、5~29人の事業所が8.6%となりました。従業員数が多い事業所になるほど、無期転換の権利を行使する割合が高くなっています。

無期転換を希望しない理由は?

一方、有期契約労働者に対する調査では、無期転換の希望の有無について「希望する」と回答した人の割合が18.9%、「希望しない(有期労働契約を継続したい)」が22.6%、「わからない」が53.6%でした。無期転換を希望する理由は、「雇用不安がなくなるから」が最も高く、「長期的なキャリア形成の見通しや、将来的な生活設計が立てやすくなるから」、「その後の賃金・労働条件の改善が期待できるから」などが続いています。

また、希望しない理由は、「高齢だから、定年後の再雇用者だから」が最も高く、次いで「現状に不満はないから」、「契約期間だけなくなっても意味がないから」となっています。

4割が「無期転換ルール」を知らない

有期契約労働者が労働契約法における無期転換ルールに関して知っている内容(複数回答)について、問われた内容のどれか1つでも知っている人の割合は38.5%でした。

知っている内容については、「契約社員やパート、アルバイト、再雇用者など呼称を問わず、すべての労働者に適用される」と回答した人は68.9%と最も高く、次いで「契約期間を通算して5年を超えても、労働者から「申込み」を行わなければ無期転換されない」が51.9%、「無期転換ル-ルが適用されるのは、2013年4月1日以降に開始(更新)された、有期労働契約である」が46.0%でした。

一方、「無期転換ルールという名称は聞いたことがある」と回答した人は17.8%、「無期転換ルールについては何も知らない・聞いたことがない」が39.9%と、4割の人が制度そのものを知らないことがわかりました。

無期転換ルールが新設されて8年が経ちますが、制度について十分に認知されているとは言えないのが現状です。厚生労働省では3月から、無期転換ルールの見直しをテーマとする検討会が始まり、議論を重ねています。有期契約労働者と企業がお互いにルールの内容を理解し、ルールが適切に運用されることが望まれます。

【参考】厚生労働省「令和2年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)」PDF
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/172-2a-3.pdf
同「令和3年有期労働契約に関する実態調査(個人調査)」PDF
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/172-3a-3.pdf

 

9月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]

30日
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>
[公共職業安定所]