iDeCoは国民に老後資金の形成を促すため国が強力にバックアップしている制度です。バックアップの内容は、掛金、運用益、受給の3つの場面それぞれにおいて税の優遇が受けられるもので、iDeCo利用者に多大な節税メリットをもたらします。
今回は、掛金支払い時の節税メリットを受けるために必要な年末調整と確定申告の手続きについて、さらにその手続きで所得税と住民税がどれだけ安くなるかを解説していきます。
※参考:iDeCoってなに?
所得税の計算の流れ
まずは所得税の計算方法を簡単にご説明します。
ステップ1
年収(税込)から、必要経費(会社員の給与所得控除)を差し引き“所得”を算定。
ステップ2
“所得”から、「所得控除(※1)」を引いたものが“課税所得”になり、その“課税所得”に所得税率をかけて“仮の税額”を算定。
(※1)基礎控除、社会保険料控除、扶養控除、医療費控除、小規模企業共済等掛金控除など
ステップ3
“仮の税額”から「税額控除(※2)」を差し引き、実際の納税額が確定。
(※2)住宅ローン控除など
以上が基本的な流れになりますが、iDeCoの掛金はステップ2の所得控除「小規模企業共済等掛金控除」に該当します。
iDeCo掛金での所得税と住民税の節税効果
例えば所得税10%、住民税10%、iDeCoの掛金が月1万円の場合、
120,000円 ×(10%+10%)= 24,000円
と所得税と住民税が年間で合わせて24,000円も安くなります。
所得控除の中には生命保険料控除のように掛金のうち1部のみしか認めてくれないものもありますが、iDeCoの掛金は全額対象になりますから、iDeCoがいかに優遇されているかがわかります。
掛金を高くすればするほど所得控除の額も高くなり、節税効果が上がります。
また、所得税は累進課税制度になっていますから、年収が高ければ高いほど税率も上がるため、節税効果が上がります。
年末調整と確定申告の手続き
国民年金基金連合会から毎年10月頃に「掛金払込証明書」が届きます。
会社員の方は年末調整のときに証明書を会社に提出すれば完了です。自営業やフリーランスの方は、確定申告で小規模企業共済等掛金控除欄に掛金を入れて、証明書を添付します。
年末調整でなぜ所得税の過不足が起きるのか?
会社員の方が毎月天引きされている所得税は、その月の給料が1年続いた体で計算した仮の金額になるため、仮の金額が12ヶ月になると誤差が生じるというのが大まかなからくりです。
その他、去年より扶養家族が増減したり、生命保険料が変動するなど誤差の原因はいろいろあります。
所得税の課税対象期間は1月1日から12月31日となっていますから、一番最後の12月に帳尻を合わす作業をするわけです。
還付された税の取り扱い注意点
年末調整や確定申告で還付されたお金を見ると、つい浮かれて使ってしまい知らないうちになくなっていたということは還付税あるあるの注意すべき点です。
貯蓄用の口座に入れておくなり、思い切ってNISAの口座を開設し、そちらの運用に回していくなど、節税された金額が“見えるかたち”で残すようにしましょう。
※参考:iDeCoってなに?
iDeCoと年末調整・確定申告まとめ
いかにiDeCoは国が強力にバックアップしているのかがおわかりになったかと思います。
あくまでこれは払い込んだ掛金に対する節税メリットで、他にも運用益が発生した時や60歳以降に受け取る時にも節税の恩恵が受けられますから、iDeCoは大変優れた税の優遇制度となっているのです。
老後のための資産形成はハッキリ言ってiDeCo一択です。思い立ったら吉日!先ずは資料請求から始めましょう。